日本全体が、なかなか正常な状態に戻れない中、
本日このブログを見て頂きありがとうございます。
さて、本日は皆さまのエネルギーを生産し、糖や脂肪を消費している
ミトコンドリアについてです。
ミトコンドリアはほとんどすべての生物(動植物や菌類など)の細胞に広く含まれている細胞内構造物の一つです。
高校の生物の教科書などで細胞の構造図を見た覚えがあれば、その中でたいていは丸いカプセルのような形で描かれていたでしょう。 このミトコンドリアは一つの細胞に(細胞の種類によって違いますが)数十から数万という大変な数が含まれています。
これらのミトコンドリアは細胞の中で呼吸をしてエネルギーを生産しているのです。 我々が肺から吸い込んだ酸素は、血液によって体内の細胞に運ばれ取り込まれ、ミトコンドリアによって糖や脂肪を燃やす燃料として使われていることになります。
燃やすといっても生化学的に糖などを分解していく過程でエネルギーが発生するわけで、我々はそのエネルギーを利用して体温を保ち運動をして生きていることになります。
ミトコンドリアは、「酸素と体脂肪を合成」してエネルギーを生みだす「体内で唯一エネルギーを作り出す」器官なのですね。
簡単にいえば、呼吸を行う際、大部分の酸素をミトコンドリアが利用しているので、ミトコンドリアが効率よく酸素を活用できるように一工夫するのが、ダイエットの秘訣になり効果的な方法になるわけです。
しかもミトコンドリアの働きは、全身に作用し、美肌などの効果や健康を促進する働きがあるため、単にダイエットだけにとどまらず、様々な面で、身体を活き活きとさせる効果も期待きでるわけなのです。
さらに、このミトコンドリアを活性化することの特徴は、全身がスッキリとスリム化する点です。見た目が本当にほっそりとします。部分痩せができるわけなのです。
そして、極端に言ってしまえば、有酸素運動や無酸素運動はしなくても、食事や生活習慣の工夫だけでもミトコンドリアを活性化させて、代謝機能を高めることができるのです。
ミトコンドリアは細胞全体の10〜20%を占め、約1万分の1ミリの大きさ。人体に必要なエネルギーを生み出し、病気や新陳代謝、老化、若返りとの因果関係が指摘されています。
「認知症の人の脳を調べると、健康な人に比べてミトコンドリアの量が少ない。糖尿病はミトコンドリアの不調から始まり、パーキンソン病は機能が失われたことが原因。ミトコンドリアを研究してきて、ここまで発展するとは予想できなかった」
日本医科大の太田成男教授は、30年以上もミトコンドリアと“対話”を重ねてきた。近著『体が若くなる技術』(サンマーク出版)で、その知られざる可能性を紹介しておられます。
ミトコンドリアに働きかけ、いかに仕事をさせるかが若さ維持の第一歩のようです。
その極意は生活習慣にあるといいます。
(1)持久力系の運動
(2)背筋を伸ばし、良い姿勢を保つ
(3)寒いところで寒さを感じる
(4)空腹を感じてエネルギーの枯渇状態をつくる
−といったことの実践を勧める。
いずれも習慣として取り入れることが大切です。
例えば、急な運動をすると、最初は息が切れますが続けるうちに息切れの頻度が減少します。
その変化がミトコンドリアの増加を実感できる瞬間なのです。
「強めの負荷に体が慣れ、細胞が若返っていく」と太田教授。
一方、英国で2年前に発表された一卵性双生児を対象にした調査。同じ遺伝子を持った双生児でも、運動習慣によって老化の進み具合が違うことが分かりました。
週に3時間以上運動する双子は、週に15分以下しか運動しない双子に比べて老化の進行が遅かったのです。
運動がミトコンドリアを活性化、老化スピードを遅らせていたことが証明されたのです。
「ミトコンドリアは若さの源泉」−。慶応大の伊藤裕教授は近著『臓器は若返る』(朝日新書)で、「ミトコンドリアが全身の臓器に供給するエネルギーが潤沢であればあるほど、われわれは健康に長生きができる」と指摘しています。
現代人が老いを見つめるとき、外見や運動能力にとらわれがちです。
しかし、ミトコンドリアの存在を知ると、若さの鍵は「体の内部」にあることが分かります。太田教授は「好奇心を忘れずに、人生を前向きにとらえる心が質の高いミトコンドリアを生み出す。ミトコンドリアは年齢を問わず増える」と強調しておられます。
ミトコンドリアがエネルギーを生み出す過程で発生する活性酸素は老化の原因といわれています。
ミトコンドリアの増加は歓迎されても、強い酸化力で遺伝子を傷つける活性酸素の発生は避けたいものです。
両者はやっかいな関係にありますが、ミトコンドリアの機能を高めて、そのパワーを増大させることによって活性酸素が発生しにくくなるそうです。
(2010.11.9産経ニュースより)